ドローンにまつわる法制度について その1

こんにちは、東京深川行政書士事務所です。

ドローンはいまや、動画撮影だけではなく、高所の建物の点検、構造設備の破損の確認、農薬の散布、さらに荷物の運搬など、様々な用途に活用されており、ますます広がりを見せています。

一方で、犯罪や事故の防止の観点から、各種規制が整備されつつあり、飛行ルールが時々刻々と変化しています。

これから5回にわたって、ドローンにまつわる最新の制度、規制、資格などについてご紹介いたします。

ドローンにまつわる法制度の概要

現在のようにドローンが幅広く普及する約10年前の黎明期には、国内におけるドローンの規制は明確ではありませんでした。

しかしながら、遠隔操作が可能で、上空から撮影できたり、物を手軽に運んだりできるドローンは重大な事件に発展する危険性を秘めており、規制当局も徐々にこれを認識してきました。

その最も大きなきっかけとなったのが、2015年に、首相官邸の屋上に放射性物質を搭載したドローンが落下した事件です。

なお、この事件については、反原発を訴えることを動機とした元航空自衛隊員が逮捕され、威力業務妨害罪及び火薬類取締法違反で執行猶予付きの有罪判決が言い渡されています。

このような経緯を経て、ドローンにまつわる法制度が整備されてきました。

現在、ドローンに関する法制度(規制)は7種類のグループに大別することができます。

  1. 航空法
  2. 電波法
  3. 小型無人機逃避行禁止法
  4. 民法
  5. 道路交通法
  6. 都市公園法・自然公園法・河川法・海岸法・各自治体の条例
  7. 個人情報保護法

航空法による規制について

航空法において、ドローンは「無人航空機」と定義されています。

この無人航空機には、ドローンの他に、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプターが該当します。

また、航空法では機体が100g未満のものを「模型航空機」、100g以上のものを「無人航空機」と規定し、主に無人航空機について規制の対象としています。

規制1 飛行禁止区域


(出典)国土交通省航空局「無人航空機の安全な飛行のためのガイドライン」
https://www.mlit.go.jp/common/001303818.pdf

空港周辺、人口が密集している地区の上空、高さ150m以上、緊急用務空域でドローンの飛行は原則禁止とされています。

なお、空港周辺や高さ150m以上の飛行禁止の規制は模型航空機も対象となります。

これらの空域は、有人の航空機への衝突や落下時の危害防止の観点から設定されています。

規制2 飛行方法

ドローンは自動車と同じく、飲酒操縦、騒音の発生が禁止されています。

また、飛行に必要な準備(整備状況:機体の損傷、バッテリーの充電)を確認してから飛行させることが求められています。

特に、ドローンは風の影響を受けやすいことから、飛行前に、安全に飛行できる気象状況かについても確認が必要とされています

さらに、日の出から日没までの間に飛行させることが原則とされ、夜間の飛行は承認が必要となります。

ドローンでの輸送に関しては、爆発物などの危険物の輸送が原則禁止され、搬送完了時には、輸送物の投下が原則禁止されています。

また、万一の落下時の事故に備えて、お祭りやイベントなどの多数の人が集まる場所の上空の飛行は原則禁止され、第三者・建物・車両などとの間に30mの距離を保って飛行させることが定められています。

なお、規制1・2のうち一部については、後のコラムでご紹介する免許制度で一部緩和がされています。

規制3 事故報告

万一、ドローンの飛行によって、人の死傷、物件の損壊、航空機との衝突未遂、制御不能の不具合や発火が生じたときは、国土交通省への報告が必要とされています。

電波法の規制について


(出典)総務省電波利用ホームページ
https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/drone/index.htm

ドローンには、操縦及び画像の伝送のために電波を発射する無線設備が搭載されています。

この無線設備については、電波法の遵守が求められており、原則として無線局の免許を受けるとともに、第三級陸上特殊無線技士以上の資格の取得が必要とされています。

但し、他の無線通信に妨害を与えないように、周波数や一定の無線設備の技術基準に適合する省電力の無線局(いわゆる「技適マーク」が付いたドローン)については、無線局の免許が不要とされており、こちらが販売の主流となっています。

小型無人機等飛行禁止法について

重要施設及びその周囲の約300mの周辺地域の上空については、ドローンの飛行が禁止されています。

対象とされる重要施設は主に次のとおりです。

ア 国政の中枢機能を担う施設

  • 国会議事堂
  • 内閣総理大臣官邸
  • 危機管理行政機関(霞が関のほとんどの省庁など)
  • 最高裁判所
  • 皇居、御所
  • 政党の事務所

イ 良好な国際関係の維持のために配慮する施設

  • 大使館などの外国公館

ウ 国防関連施設

  • 自衛隊施設
  • 在日米軍施設

エ 空港

オ 原子力事業所

これらの施設の周辺でドローンを飛行させたときは、飛行妨害、危機の破損等の措置を警察官がとることが可能とされ、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

まとめ

今回のコラムでは、ドローンにまつわる法制度のうち、中心となる航空法、電波法及び小型無人機等飛行禁止法についてご紹介しました。

罰則付きの法令ですので、「知らなかった」では済まされませんから、ドローンの操縦前に把握して頂けますと幸いです。

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