ドローンにまつわる法制度について その2

こんにちは、東京深川行政書士事務所です。

前回のコラムでは、ドローンにまつわる法制度のうち、カギとなる航空法、電波法及び小型無人機等飛行禁止法についてご紹介しました。

今回のコラムでは引き続き、ドローンに関する法制度として、民法、道路交通法、個人情報保護法等についてご紹介します。

民法について

民法第207条には、「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ」と規定されています。

一方で、その所有権が及ぶ土地上の空間の範囲は、一般に、当該土地を所有する者の「利益の存する限度」とされています。

例えば、私有地の上を飛行機やヘリコプターが飛行することがありますが、タワーマンションや鉄塔を除けば、利益の存する限度外での飛行となるため、所有権は及ばないものと解されています。

内閣官房小型無人機等対策推進室にでは、第三者の土地の上空においてドローンを飛行する場合について指針を示しています。

これによると、ドローンの飛行に際して、常に土地の所有者の同意を得る必要があるわけではないと整理されています。

一方で、土地所有者の「利益の存する限度」の具体的範囲は一律に設定することができず、土地上の建築物の設置状況などによって、個別に判断されるとされています。

従って、国としては、個別具体的事例についてどのようなときに許可が必要・不要というルールを現時点では明確に示しているものではありません。

もし、土地所有者とトラブルになった時には自ら解決するほかはなく、最終的には民事訴訟を提起されるリスクがあります。

このようなリスクを避ける観点から、ドローンを他人の所有地で飛行させる場合は、現時点においては、あらかじめ了解を得ておく方が無難であると思われます。

道路交通法による規制について

道路交通法第76条第3項には、「何人も交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路においてはならない」とされています。

つまり、道路にドローンを置いて離陸させる行為又はドローンを道路に着陸させる行為は同規定に違反する行為となります。

一方で、道路の上をドローンが通過する行為については、現時点での国土交通省の見解は「道路における交通の危険を生じさせない高度であればよい」とされており、道路の使用許可は不要とされています。

従って、現在の法律ではドローンは道路の上を通過することはできても、道路上に降りてくることや道路から飛び立つことは認められていないということになります。

その他公共の場所での規制

これまでにご紹介した航空法等による飛行禁止区域のほか、都市公園法・自然公園法・河川法・海岸法・及び各自治体の条例に基づき、国や自治体(施設等の管理者)が独自の規制を定めていることがあります。

例えば、国立公園によっては、事前に飛行させる場所を担当している国立公園管理官事務所、自然保護官事務所に飛行区域や飛行日時を伝えるとともに、事前指導を受ける必要があります。

また、河川においては、河川公園を含めて危険・迷惑行為として原則禁止としているところもあります。

個人情報保護法との関係について

総務省がまとめた「ドローンによる撮影映像等のインターネット上での取り扱いに係るガイドライン」によると、ドローンによる撮影映像が次の例に該当するときは、個人情報とされます。

  • 表札の氏名が判読可能な状態で写っているとき
  • 個人の容貌について、個人識別性のある情報が含まれているとき
  • ぼかしを入れるなどの加工をした場合であっても、加工前の映像を保存しているとき

また、ドローンによる撮影は「不正の意図をもって隠し撮りを行う場合」との兼ね合いが難しく、もし、隠し撮りと判断されたときは個人情報保護法違反となる可能性があります。

さらに、個人情報取扱事業者が撮影映像を本人の同意なく公開した場合には、第三者提供の制限の違反となる可能性があります。

このほか、ガイドラインには次の点について注意喚起されています。

  • プライバシー侵害等の行為が行われた場合、撮影者は被撮影者に対して民法の不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになります。
  • 浴場、更衣室、トイレなど、衣服を脱いでいる場所を撮影した場合は、軽犯罪法や迷惑防止条例に基づき処罰されることがあります。

なお、プライバシーとして法的保護の対象となりうる場合については、次のような事例が示されています。

  • 個人の住所とともに、当該個人の住居の外観の写真が公表されるとき
  • 屋内の様子、車両のナンバープレート、洗濯物その他生活状況を推測できるような私物が写りこんでいるとき

従って、プライバシー侵害を防止するためには、住宅地にカメラを向けないほか、人の顔、表札、洗濯物、ナンバープレート等には、ぼかし処理を加える必要があるとされています。

まとめ

前回に続き、ドローンに関する法制度をご紹介しました。

ドローンの活用範囲の拡大につれて、トラブルの発生が予測され。ドローンに起因するトラブルが、社会に大きな影響を与えることとなったときは、更なる規制が定められる可能性があります。

日進月歩の分野ですので、ドローンを活用するときは、最新の法制度を確認するようにしたいものです。

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