国家資格と併せて知っておきたい「機体認証」制度とは

前回のコラムでは、ドローン飛行に関する国家資格である「無人航空操縦士」資格をご紹介しました。

その中で、ドローンを物流で活用する際に必須の一等無人航空操縦士資格において、操縦するドローンは「機体認証」を取得する必要があることに触れました。

今回のコラムでは、無人航空操縦士制度と両輪となるドローンの「機体認証」制度について詳しくご紹介します。

ドローンの機体認証の意義と必要性について

ドローンの機体認証とは、国土交通省によると、特定飛行を行うことを目的とする無人航空機の強度、構造及び性能について検査を行い、機体の安全性を確保する認証制度とされています。

従って、特定飛行を行わないドローンについては、現在のところ、機体認証については不要とされています。

また、混同されがちで注意すべき点としては、次のコラムでご紹介する、機体重量が100g以上のドローンすべてに課せられている機体登録とは異なる制度です。

自動車で例えると、一等無人航空操縦士資格が運転免許証、機体認証が車検、特定飛行が公道走行のようなものです。

もし、機体認証を行わずに特定飛行を行った場合は、50万円以下の罰則が科される可能性があります。

ドローンの機体認証の制度の概要

ドローンの機体認証制度は大きく2つに分けられます。

一つ目は第一種機体認証です。

これは、立入管理措置を講ずることなく行う特定飛行を目的とした機体(カテゴリーⅢ飛行を行う機体)向けの認証制度です。

機体認証の有効期間は1年とされており、引き続き使用したいときは期間満了までに更新手続きが必要です。

また、検査は国土交通省で受検する必要があるとされています。

検査手数料は検査を受けるドローンの条件(新品、中古、台数、後で解説する型式認証の有無)によって異なり、最低43,000円から最高1,592,200円までとなっています。

カテゴリーⅢ飛行が必須となるドローンによる物流事業を行うためには、第一種機体認証が必要となります。

2つ目が、第二種機体認証です。

これは、立入管理措置を講じた上で行う特定飛行を目的とした機体向けの認証制度です。

有効期間は3年とされ、引き続き使用したいときは、同じく更新が必要です。

検査は、登録検査機関で受ける必要があり、検査手数料は検査機関によって異なります。

なお、これらの機体認証は、無人航空機の使用者が所有する一機ごとに受ける必要があります。

ざっくり分類すると、一等無人航空操縦士資格者しか行うことができない特定飛行を行うドローンは第一種機体認証を、二等無人航空操縦士資格者が行う特定飛行のときは第二種機体認証を受けることになります。

ドローンの型式認証とは

先ほど、第一種機体認証の検査手数料が検査を受けるドローンの条件によって43,000円から1,592,200円まで必要とされる旨をご紹介しましたが、この最低の43,000円で検査を受けるためには「型式認証」を受けた新品のドローンを購入することが必要です(但し、最低価格の43,000円は複数台割引適用後のもので、1台目については1,000円プラスの44,000円となります)。

ドローンの型式認証とは、飛行させるドローンの強度、構造、性能が、設計、製造過程、の段階で安全基準を満たしていることを証明する制度です。

この型式制度を活用できるドローンを購入したとき、メーカーは購入者に対して型式認証証明書を交付します。

型式認証を受けたドローンの検査手数料が型式認証を受けていないドローンより安価である理由は次のとおりです。

①設計・製造検査が免除され、現状検査のみとなるため。

②特定空域を含む空域を飛行するドローンの第一種型式認証で既に、手数料2,731,800円が支払われているため。

なお、ドローンの型式認証も機体認証と同じく第一種と第二種に分かれており、第一種型式認証を受けたドローンは第一種機体認証を、第二種型式認証を受けたドローンは第二種機体認証を受けることとなります。

第一種型式認証を受けたドローンは2023年11月時点で株式会社ACSLのPF2-CAT3のみであり、一般販売はされていません。

第二種型式認証を受けたドローンについては、2023年11月時点ではイームズロボティクス株式会社のE6150TC型が現在申請中とされており、予約販売が行われています。

まとめ

ドローンの国家資格(一等無人航空操縦士資格)は、ドローンの機体認証と両輪の制度設計となっていることを御理解いただけましたでしょうか。

せっかくの国家資格も、機体認証制度の確立や型式認証機体の普及を待たなければ実際に活用できない状況です。

残念ながら、現在のところでは、今すぐに物流事業ができるという状況ではありません。

日本郵便やANA等の大手企業が実証実験を行っている段階にすぎず、実験を行っただけでニュースになるという状況です。

ただ、ドローンの世界は日進月歩で進化し続けています。

ドローンの特定飛行による事業を検討されている方は、頻繁に情報をアップデートされることをおススメします。

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