増えるカスタマーハラスメント 対策はどのようにすれば良いか、行政書士が解説します。

はじめに

こんにちは。東京プルミエグループ 東京深川行政書士事務所です。

インターネットで気軽に商取引ができるようになった反面で、いわゆるカスタマーハラスメント(カスハラ)の相談が増えております。

カスタマー・ハラスメントとは、顧客が企業に対して理不尽なクレーム・言動をすることをいいます。

具体的には、事実無根の要求や、法的根拠のない要求、暴力的・侮辱的な方法による要求などがカスハラに当たりますが、最近は、手口が非常に巧妙な事案もあります。

サービス提供者側に明確な落ち度がある場合は、誠実に対応するべきですが、明らかに難癖をつけて、返金や賠償を請求してくる顧客は一定程度います。

そのような方は、非常に手慣れていて、手口も巧妙です。

本コラムでは、企業のお客様相談センターで、苦情対策を経験した行政書士が、事例を紹介させていただいた後、対策方法について説明させていただきます。

事例紹介

例えば、以下のような連絡が会社に来た場合の対応方法を検討します。

こちらは、ある不動産売買会社を想定した、架空の事例です。

苦情に慣れた方は、ストレートに金銭を要求してこず、一見するとよくあるお問合わせのような文面からスタートします。

しかしながら、対応していくうちにどんどんと態度が豹変してくケースが多いです。

この辺りの見通しは、一定の顧客対応経験があると、見通せるようになってきます。

●●様に・・・していただきましたが、・・・となりました。こちらとしては、貴社と契約し、正しい情報を得られると思っておりましたが、誤った助言により損害が発生しております。この点について、見解をお伺いしたく存じます。

・・・に際して指導をしていただけると認識しておりましたが、・・・アドバイスのみでした。こちらとしては、契約料もお支払いしているので、具体的なアドバイスがいただけるものと思っておりましたがその点についてはいかがでしょうか。

法的論点や、具体的な検討事項は複数ありますが、その中でも大きく検討すべき点は以下です。

1 損害の発生と因果関係

2 誤った助言が事実か、事実だとすれば、その程度

3 どの程度の期間、どのような助言を行ったか。勝手に顧客で進めていないか?

4 1、2、3をあてはめた上で、結論を出す。

もし、訴訟に発展する場合、顧客側は、損害発生の事実やその程度、因果関係を主張し争っていくことになります。

企業側も同じく検討し、訴訟となった場合はどの程度の請求になるかどうかを検討します。

そもそも事実が発生しているのか、事実が発生したとして、その損害の程度がどの程度なのか?

例えば、コンサルタントの助言で、手続に必要な住民票の数を誤った為、1枚余計に出させてしまった場合の損害は、せいぜい数百円です。

一方、この物件は「●●業ができますよ」と明確に回答したにも関わらず、その内容が誤っていた結果、目的とした業種が明らかにできないとなった場合、被害は高額になる可能性になります。

仮に損害が発生していたとしても、それは、担当者の落ち度によるものなのかも検討する必要があります。

また、「助言をしていない」という苦情に関しては、契約期間や連絡密度を対応記録から確認する必要があります。

例えば、一定程度契約期間があったにも関わらず、顧客側になんら連絡がない場合、顧客側の言い分はもっともということになりますが、クライアントが自ら手続を進めており、特段助言の必要が無い(おかしいと思った時に指摘する程度で良い等)場合もありますので、諸事情を総合的に検討する必要があります。

各検討要素に、各事情をあてはめて結論を出しますが、当てはめ方によって結論も変わってきますので、経験豊富な方が対応さることをお勧めします。

金額が大きくなることが予想される場合は、躊躇なく法律の専門家に相談してください。

相談する場合も、初動対応の時点で、相談しておくと、結果として対応コストが低くなる傾向があります。

何かあった時に、すぐに相談できる法律の専門家がいることは、ビジネスをやる上で必須と言えるでしょう。

顧客からの要求に応じるべきか?

顧客の言い分に理由がある場合は、応じるべきですが、明らかに難癖である場合、安易に応じるべきではありません。

特に、BtoCでは、企業側の対応結果がweb上に出回ることが少なくない為、金銭補償を行うと、「そしたら私も苦情申し立てをしよう」と細かい顧客からの苦情が立て続けに来てしまうリスクがあります。

悪質である場合は、法務担当者が対応したり、場合によっては法律の専門家が窓口となることも検討が必要な場合があります。

対策方法

1 顧客とのやり取りを記録する

BtoCのビジネスをしていると、やむを得ず被害届を作成したり、得ず訴訟提起をしたり、逆に訴訟の申し立てがされることが、件数として少ないですがあり得ます。

その際、顧客とのやり取りの経緯がないと、第三者に事実を説明することができない為、顧客との日常のやり取りは記録していただき、特に注意を要するべき顧客とのやり取りは詳細に記録すると良いでしょう。

2 対応基準を作成する

顧客ごとにイレギュラー時の対応が大きく異なると、インターネット上で問題となることがあります。例えば、クリーニング店で服が破損してしまった場合、ある顧客には100%補償したにも関わらず、別の顧客には半額しか補償していない場合、インターネット上で炎上するリスクがあります。

どのような場合に、どういう対応をすべきなのか、社内で一定の方向性を決めておくと良いでしょう。

3 非がない段階で安易に謝罪しない

イレギュラーが発生した場合、安易に謝罪をすると、攻撃的に出てくる顧客が一定数居ます。

トラブル発生時は、まずは事実確認に徹しておき、「ご迷惑をおかけしております」程度に留めておくと良いでしょう。

4 複数名で対応する

イレギュラー発生時の顧客対応は、複数名で対応することが望ましいです。

サービス業の場合、当初の担当者が対応しても、余計揉める可能性が高く、担当者の上席や、別の部署で対応する方が、良いでしょう。

その際も、顧客によっては一名で対応するのではなく、複数名で対応する方が良い場合があります。

まとめ

今回は、顧客からの理不尽な要求に対する事例を説明させていただきました。

類似事例の相談は非常に多く、弊所の内容証明郵便や合意書を作成を行うこともありますし、悪質性が高いものについては、弁護士が対応することもあります。

速やかに対応することも重要ですが、事実確認をしっかり行うことは非常に重要です。

また、事案の性質によっては、法律の専門家に相談すると、解決までの時間が短くなり、対応コストや補償額を下げることも期待できます。

日頃から、頼れる法律の専門家を数名を探しておくと、もしもの時のために安心です。

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