行政書士が教える!キッチンカー開業方法と、許認可取得手続 開業準備編 その2

はじめに

こんにちは。東京都江東区の東京深川行政書士事務所です。弊所は、2022年3月に開業し、開業当初からキッチンカーの開業をサポートしてきました。

サポートさせていただいた出店者様は20名を超え、事前相談や、開業に関する相談は、50件以上対応させていただきました。

飲食店の店舗運営に関する情報は、書籍やインターネット等、様々ありますが、キッチンカーに関する情報はあまり多くありません。

本コラムは、2022年4月に公開し、度重なる修正を経て現在に至ります。

前回は、キッチンカーとは何か、開業までの流れを概説しました。

今回は、メニューの決め方やキッチンカーの仕様について、説明させていただきます。

どのようなキッチンカーにするか

キッチンカー開業に興味を持ったら、まず自身の住んでいる地域や、出店したいと思うエリアのキッチンカーのリサーチからはじめてみるのが良いでしょう。

インターネットまたはSNS上で「地域名」「キッチンカー」で検索してみると、様々な情報が出てきます。

SNS検索の場合は、過去の投稿を一通り確認することはもちろんですが
プロフィール欄をチェックしてホームページやその他のSNSのリンクも辿り活動内容をチェックしてみてください。

特に、活動経歴が長いキッチンカーを探すと良いでしょう。

気になるキッチンカーを探せたら、次回は「いつ」「どこ」で出店するか記載されていることがありますので、都合を合わせて実際に見に行ってみましょう。

そこでは、テレビを見ただけでは伝わらない情報も生で感じられるからです。

特に、「遠くから見た雰囲気」「どんな看板がかかっているか」「近くから見た印象」「お店の人の印象」「何屋さんかすぐにわかるか」「顧客の購入状況」に注目してください。

その時感じたことを早めにメモしておくと、開業時に役立つかもしれません。

実際に注文してみると、メニュー表の雰囲気や、メニューの数、店員さんの対応、平均単価がわかってきます。

それだけでなく、「注文方法」「利用サービスや端末」「支払い方法の種類」「調理時間」「店内の設備」「使用している箸、袋、その他調味料」「味」といった点も確認してみてください。

各観点で感じたことをまとめるノートやExcelシートを作成し、後日比較するのも良いかもしれません。

味はどうだったか、また食べに行きたいと思うかといった感想も書いておくと後に役立つでしょう。

売上の予想を立てるために

売上の予想を立てるためには、他キッチンカーの客足、売上をリサーチするところから始めます。

キッチンカーに最も人が集まる1時間から2時間の売上を観察し、メニューの価格と各数を計算すれば、キッチンカーの1日の売り上げを概算ではありますが、計算することができます。

データを集めるのに手間も時間もかかりますが、様々な地域やお店の種類、イベント内容といったデータを含めると、非常に参考になるデータにまとまります。

私は、開業準備期間に「20回はやってくださいね」とお伝えしますが、実際に調査してデータを取得すると、その地域における1日の売上の目安や、人気なメニューの傾向がわかってきます。

実際に開業すると、営業の方にリソースを集中することになりますので、開業準備期間中に、多少面倒でも、できるだけたくさんの数のキッチンカーをリサーチして、そのキッチンカーごとのいいと思うところ、悪いと思ったところを記録してみてください。

集まったデータである程度、どこの地域に、どの商材を出店すれば、1日あたりいくらの売り上げが立つのか予想することができますので、そのデータを元に、キッチンカーの仕様や、販売する商品を決めていくことになります。

メニューの作り方

キッチンカー開業にあたり、開業初期段階で完全にここで決めないといけないというわけでもありませんし、メニューは開業前でも開業後もいつでも変更は可能です。

ただ、ある程度の方向性を決めておけば、保健所の事前相談が円滑になりますので、仮のメニューとしてだけでも決めておくと良いでしょう。

キッチンカーで成功するために、一定程度割り切らないといけないのが、「どの場所で」「何を販売するか」です。

例えば「クレープを販売したい」と弊所に事前相談をしていただきましたが、調査の結果採算が見込めず、別の商品に変更するようなことは、よくあります。

出店予定の地域で何を販売しているキッチンカーが、がそれぞれ何台いるかの情報は、とても重要です。

例えば、あなたが「クレープ」を販売したいとしたとき、リサーチしたエリアにおいて、既にキッチンカーは20台存在し、クレープを販売しているキッチンカーは既に2台いたとします。

そのエリアのイベント出店などで主催者側がキッチンカーを1台呼びたいと思ったとき、主催者側はできるだけメニューの違うキッチンカーを呼びたいと思うので、後発のキッチンカーがよばれる可能性は極めて低くなります。

このように、「どの地域」で「何を」販売するのかという地域性は、大変重要な要素になります。

このように、地域によっては、出したいメニューを出すと、失敗するリスクがありますので、場合によっては、必ずしも提供したい商品を提供できないこともあります。

お客様に選ばれるメニュー選択の基本は、名前を聞いて味が想像できるメニューを選択することです。

マニアックな料理が絶対不可ではありませんが、過去の経験上、成功する地域とそうでない地域が分かれてしまい、売り上げが安定しないリスクがあります。

また、メニューに関しては、いくつか引き出しを持っておき、適切な場面で、適切な商品を提供できるよう準備しておく必要があります。

ランチ出店がメインなのか、イベント出店がメインなのか、商業施設での出品がメインなのか?

出店場所によって、メニューの相性が、合う場合も合わない場合もあります。

出店場所に合わせて、ニーズの高そうなメニューを提供できるかが成功のコツです。

購入者が誰であるかも検討する必要があります。

また、仕入れについては、これまでの人脈等を活用して、少しでも安く材料を仕入れ、ニーズのあるメニューを開発というのも大事な要素のひとつとなります。

記載していることはごく当たり前のことかもしれませんが、自身が出店すると、細かいことにこだわってしまい、重要なポイントを外してしまうこともありますので、脱線しないよう十分な留意が必要です。

キッチンカーに必要な設備

開業までに必要なものは、大きく以下の通りです。

  • 車両、調理機器、冷蔵庫や冷凍庫、ガスボンベ、発電機等電源装置
  • 看板やのぼり旗
  • メニュー表
  • ホームページ、SNSアカウント

開業資金の中でも大きな比重を占めるのがキッチンカーになります。いわゆる車両ですね。

車両に設置する調理機器に関して代表的なものには、コンロ、グリドル(鉄板焼き機)、焼き台、フライヤー、茹で麺機、オーブン等があり、それぞれ作るメニューによって選択します。

多くのメニューでは、食材の温度管理をする冷蔵庫や冷凍庫が必要になり、調理器具の熱源に関しては、LPガスのガスボンベを使うことが一般的です。

近年は、お祭りやイベントなどの爆発事故が多発しており、ガス屋さんとの契約のハードルが上がっていますが、粘り強くガスボンベを充填してくれるガス屋さんを探す必要があります。ガスボンベの契約は、意外と難航することがありますので、早めに目処をつけることをお勧めします。

調理機器を動かしたり、電気をつけたりするには電源が必要です。1日電気を使いっぱなしで営業する場合は発電機を使うことが一般的です。

キッチンカーに関しては、広告はあまりかけすぎず、一方で最低限はやる必要があります。

HPやSNSは最低限開設することで、イベント時には主催者から呼んでもらえる程度には更新する必要があります。

キッチンカーの営業について

前回のコラムにも記載させていただきましたが、キッチンカーで営業するためには、県や市など出店したいエリアごとに保健所の「営業許可」の取得が必要となります。

この営業許可は各自治体によってルールが異なるので注意が必要です。

行政書士に依頼している場合は、この辺りから本格的に打ち合わせが必要になります。

ひとつの市でとれば県内全てのエリアで営業可能となる地域もあれば、一部の市や地域はまた新たに営業許可を取らないといけないといったエリアがあり、特に東京と神奈川で営業したい場合は、流し(シンク)の数等、設備基準が異なる場合があるので、あらかじめ近隣の市や県の保健所の基準を確認してからキッチンカーを製作する必要があります。

この手続を怠ると、最悪キッチンカーの開業ができなくなることもあります。

車両の選び方

車両の選び方については、何を販売するか、どこで営業することによって全く異なるため、本コラムでは、簡単な記載に留めます。

開業にあたっては、キッチンカーを販売しているお店を3つほど訪ね、実際に現車を見にいき、車内の広さ、車両そのもののサイズ感、値段的の相場感を確認するのが良いと思います。

また、キッチンカーの販売に慣れているかも確認が必要です。キッチンカーは保健所の営業許可の審査に合格しないと開業はできず、その辺りの知見を有する業者がお勧めです。

さらに、キッチンカーは買って終わりというわけではありません。長年営業し続けるためには、しっかり整備する必要があります。

また、キッチンカーは特殊な車両になりますので、車検を通すためにはそれなりの知識が必要となり、普通の車屋さんでは車検を断られるケースもあります。

購入前に車検や整備もお願いできるか確認して購入する必要があります。

考慮しなければならない要素が多々あるため、資料を貰いながらも、実際に営業しているキッチンカーがどのような仕様なのかを見にいくと、よりイメージが明確になるかと思います。

キッチンカーの販売会社は、都心部よりやや郊外で販売、製作している会社が多いです。

車両に関して大きく、軽自動車バンタイプ、軽トラBOXタイプ、普通自動車バンタイプ、小型トラックBOXタイプ、普通トラックタイプなどがありますが、バンタイプに関しては、
中で立って調理ができず、室内の高さが低いため積める食材が少ない欠点があり、ソフトドリンクや少量の軽食の提供などの用途を除いては、キッチンカーで高い売り上げを目指すことには向いていません。

キッチンカーの乗車定員は意外と重要です。なぜなら、キッチンカー1台で移動できるスタッフの数に大きく関わり、繁忙期で人手が必要な場合に、別に電車等で移動すると、余計な経費がかかるからです。

また、作業定員とは、中で何人が調理できるかという目安になり、商品の提供スピードや、売上に直結する要素となります。

また、そのキッチンカーを運転するために必要な免許や、誰が普段運転するのか、その人以外が運転するケースも想定されるのかも考慮する必要があります。

まとめ

本コラムでは、メニューの作り方や、キッチンカーの仕様について、概説させていただきました。

あまり細かい内容になりすぎないよう意識しましたが、実際に準備を進めていくと、結構なやましく、時間がかかると思います。

先述の通り、メニューや車両の細かい仕様について、初期段階から確定するまではしなくても、この辺りの方向性が見えれば、いよいよ各手続を進めていくことになります。

次回は行政手続編となります。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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