こんにちは。行政書士の中田 茉以子です。
行政書士は、個人や法人の皆様から依頼を受けて、会社設立や店舗開業など、許認可に関する公的書類の作成や官公署への申請を代行しています。
つまり、必然的に官公署の職員である公務員と頻繁に接することになります。
本コラムでは、行政書士のある意味ではもう一つのクライアント、元官公署にお勤めの方に行政書士に対する印象をインタビューしましたので、ご紹介させていただきます。
行政書士へのイメージ1 仕事がスムーズにはかどる
いわゆる許認可の要件は、法令に厳密に規定されているほか、国の省庁からの通知によって技術的助言がなされています。
従って、これらの要件に合致しない申請は原則として許可できません。
この許可要件を、根拠が曖昧なネット上の情報を集めて自己流に作成される住民や事業者がお見えになることがありますが、要件が満たされていないときは、残念ながら再度提出いただくことになります。
一方で、行政書士の方が提出される申請書は、要件を熟知され、これを過不足なく記載されていることがほとんどであり、スムーズに審査することができる傾向にあります。
役所では、行財政改革により限られた時間、限られた人員で仕事をしていますので、書類の再提出の依頼及びそれに伴う再審査はできる限り減らしていきたいのが本音です。
ですから、行政書士の方々が代行された書類が届いた時は、仕事がスムーズにはかどるため、大変ありがたい気持ちになります。
行政書士へのイメージ2 外部のプロの視点から業務改善につながる
先程、許認可業務の許可要件は、法令に厳密に規定されていると申し上げましたが、厳密には、これに加えて、歴代の担当者から引き継がれたり上司から指示されたりする「ローカルルール」が存在することがあります。
その最たるものが、「添付書類の山」です。
現場では、法令の規定では判断できない、いわゆる「グレーゾーン」が存在しがちです。
このグレーゾーンをいかに白黒はっきりさせるかということは、組織に蓄積された経験値にあたるもので、その解決策として申請者にお願いするものが「添付書類」になります。
長期間にわたり業務が行われかつ担当者も数年ごとに変わるという状況が続くと、得てして、引継文書の中に、「必要かどうか分からないけれど、保険として提出していただく添付書類」がだんだんと増えていく傾向になります。
この状況は、申請者にとっても、審査担当者にとっても負担が増加するものであり、好ましくありません。
しかしながら、前例踏襲を是とする官公署では、この「ローカルルール」を内部から変えることは至難の業です。
一方で、これを打破するポテンシャルを持っているのが「外部からの指摘」です。
国家資格に基づき申請を代行される行政書士の皆様から、「この書類は法令に規定されているものではなく、不要なのではないか」というご指摘をいただくことがあります。
その場では、担当者は職務上「上司に相談します」と回答することとなりますが、心の中では「これでは、不要な書類を1枚減らすことができるまたとないチャンスだ」と思っています。
外部のプロの視点から、業務改善のチャンスを頂けることは、担当者にとって大変ありがたいことです。
まとめ
今回のコラムでは、官公署の担当者の行政書士に対する印象をインタビューしました。
行政書士は行政手続のプロとして、官公署の担当者と良好な関係を築きながら円滑に業務を遂行しています。
役所への許認可申請や身近な法律に関するお困りごとがありましたら、東京深川行政書士事務所まで、お気軽にご相談ください。