離婚と子供

こんにちは、東京深川行政書士事務所です。

離婚をする際に大きな問題となるのが子供との関係です。

どちらが引き取ることになるのか、養育費の支払いはどうするのか、そして面会交流はどうするのか、といったことがネックとなり、離婚の協議が難航することが多々あります。

本コラムでは、これらの離婚と子供をめぐる制度についてご紹介します。

親権について

最初に、「親権」とは何かを考えてみましょう。

親権については、民法第4編親族の第4章に定められており、一般的には、未成年の子供の監護権(身の回りの世話をする権限)と財産管理権に大別されます。

第818条に成年に達しない子は父母の親権に服すること、父母の婚姻中は父母が共同して行うことが定められています。

一方で、第819条には、「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない」と定められており、離婚する場合は共同で親権を行使することができなくなります。

協議離婚の際に提出する離婚届は、未成年の子供各人について、夫婦のどちらが親権者になるかを記載しなければ受理されないことになっています。

但し、親権者が夫婦の協議で決まらない場合には、家庭裁判所での審判を求めることとなります。

なお、裁判離婚の場合には、家庭裁判所が父母の一方を親権者と定めることとなります。

このときに、どちらが親権者とされるかは次のような要素が考慮されます。

  • 父母の年齢、健康状態、経済力、生活環境、育児の意欲
  • 子供の年齢、発育、環境の変化、どちらになついているか
  • これまで実際に世話をした者はどちらか
  • 子供の意思
  • 兄弟姉妹はなるべく別れないようにする
  • 甲乙つけがたい時は最終的に母親を優先する

なお、子供の利益のために必要があると認めるときは、子供の親族は家庭裁判所に請求し、親権者を変更することができますが、子供の生活環境の変更は好ましいものではないと考えられているため、あくまでも例外的なものです。

監護権者とは

監護権とは、子供と同居して身の回りの世話をする権限のことをいいます。

通常は、子供を引き取って育てる側が親権者と監護権者を兼ねることになりますが、何らかの事情で兼ねないことがあります。

例えば、経済的理由で父母が双方とも子供と生活できないとき、児童福祉施設や祖父母が監護権者となることがあります。

養育費のルール

未成年の子供は仕事をしていませんから生活する上で費用がかかります。

離婚に際して、未成年の子供を引き取って監護することとなった親は、もう一方の親に対して養育費を請求することができます。

養育費の金額は、原則として両親の間での合意に沿った金額となりますが、合意が得られない時は裁判所が定める算定表に沿った判断がなされます。

(リンク)養育費・婚姻費用算定表(東京家庭裁判所)
https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/index.html

算定表では、子供の年齢、人数、権利者の年収、義務者の年収、自営か給与所得かによって、1~2万円の幅で示されています。

養育費の支払いは、協議で子供が何歳まで支払うかを定めた期間について、継続・分割(通常は1か月ごと)して受けることができます。

なお、年齢については、通常は成人するまでとされますが、夫婦ともに大学卒業者であった場合は、大学卒業までとされることも多いようです。

一方で、離婚後時間が経過するとともに、養育費の未払いが問題となりがちです。

特に、離婚時に口約束をしただけですと、証拠が残らないことから、強制的に支払わせることが困難です。

これを未然に防ぐためにも離婚協議書の作成は大変重要です。

養育費の受取が遅れたときは、養育費の支払いを請求する調停や審判を行い、強制執行の申立をすることができます。

また、公証役場で作成した公正証書がある場合は、これがいわゆる債務名義となり、強制執行を申し立てることが可能です。

但し、離婚後に元夫婦双方が失業、病気等事情が変わった時には増額・減額に関する調停を家庭裁判所に提起することが可能です。

面会交流のルール

親権を失った側の親は、子供と離れて暮らすことになることから、子供と面会するための「面会交流」の取り決めを離婚の際に合わせて行います。

その根拠として、民法766条第1項では「父母が協議上の離婚をするときは、(中略)父又は母と子の面会(中略)について必要な事項は、その協議で定める」とされています。

ただ、親権は離婚届の必須項目ですが、面会交流は空欄で提出しても離婚届は受理されます。

面会交流を行う条件は次のような項目が取り決められます。

  • 面会交流の方法(対面、電話、郵便、メールなど)
  • 面会交流の頻度と時間
  • 面会交流の連絡手段
  • 面会交流する場所

面会交流の取り決めについては、離婚協議書に盛り込まれることが一般的です。

なお、面会交流は親の権利ではなく、子どもの権利であるとされています。(民法第766条第1項後段)

従って、子供が面会交流を拒否する場合、面会交流によって子供の生活にアイク影響を及ぼす場合は、面会交流が認められないケースもあります。

例えば、面会交流する親が面会交流時に子供の前で親権者の悪口や非難をする、薬物依存状態である、誘拐の前歴がある、子供に暴行を加えた前歴があるといった場合が、面会交流が認められない理由として挙げられます。

なお、面会交流の調停・審判に至った時には、「試行的面会交流」という制度がとられることがあります。

これは、子供と面会交流する親が家庭裁判所の調査官の立ち合いの元、裁判所の観察室で面会し、その様子がマジックミラーを通して観察されるものです。

まとめ

今回のコラムでは、離婚と子供についてご紹介しました。

なお、離婚後の子供にまつわるトラブルを未然に防ぐために、話し合いや合意した内容を書面に残しておくことをおススメします。

東京深川行政書士事務所では、養育費などに関する離婚協議書作成のサポートを行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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