2023年旅館業法改正について、行政書士が解説します

こんにちは、東京都江東区の東京深川行政書士事務所です。

弊所は、旅館業や民泊の申請を特に得意としており、旅行大好きな行政書士が、全国の旅館業の申請や、変更手続、運営に関するサポートをさせていただいております。

2023年に改正旅館業法が施行され、旅館やホテルなどでは、宿泊客が土下座を繰り返し求める場合などは、宿泊を拒否できるようになりました。

本コラムでは、旅館業法の改正について、説明させていただきます。

法改正の経緯

理不尽な苦情を繰り返す客などに対応していると、本来のサービスが提供できないことが、業界で深刻な問題になっていることを背景に、旅館業法が改正されました。

具体的には、いわゆる「カスタマーハラスメント」を行うなど、業務を著しく阻害する迷惑行為を行った宿泊者を、旅館やホテル側が断ることができるようになります。

弊所では、様々な宿泊事業者から様々なご相談を頂きますが、いわゆる顧客な理不尽な要求に対して、どこまで対応すれば良いかは、本当に多く寄せられる相談内容で、顧客からの要求も本当に様々です。

これまでは、宿泊約款等で一定の場合における宿泊拒絶の条項を入れ、その内容をもとにここに事情に応じて宿泊をお断りする対応するのが一般的でしたが、本改正によって、一定の場合において、法律を根拠に対応することが可能となりました。

宿泊拒否ができるケース

宿泊拒否できるのは、主に以下の場合などです。

  • 宿泊料の不当な割引
  • 不当な部屋のアップグレード要求
  • 不当に早いチェックインや不当に遅いチェックアウト
  • 契約にない送迎
  • 過剰なサービスを繰り返し求める
  • 土下座などによる謝罪を繰り返し求める
  • 不当な要求を繰り返し求める

本改正における留意点

本改正で留意すべき点が、ハンディキャップを持っている一定の顧客に対する合理的な対応は、宿泊拒否の理由にはならないことです。

具体的には、以下のような場合です。

  • 筆談でのコミュニケーション
  • 車いす利用者がベッドに移動する際の介助
  • 車いすで部屋に入れるようにベッドやテーブル位置の移動する
  • 盲導犬の同伴
  • 空調や音響等の合理的な調整

また、障害を理由とした不当な差別的取り扱いを受けたことについて、社会通念上妥当な範囲で謝罪を求めること等も、それが障害の特性によることを把握できる場合においては、宿泊拒否の理由にはなりません。

また、感染症対策でも変更点があります。

これまでの旅館業法では、宿泊客に対して、感染防止対策への具体的な協力を求めることができませんでしたが、改正後は、一定の範囲内において、その特定感染症が国内で発生している期間は、顧客に対して、マスク着用や検温等の感染対策などを求めることができるようになります。

まとめ

悪質な宿泊顧客への対応は、どの宿泊施設も苦労されています。

少し対応を誤ると、Googleの口コミや、予約サイトのレビュー欄に、最低な業者として書き込みをされ、特に開業初期段階に低評価の口コミがついてしまうと、殆ど予約が来ないこともあります。

顧客からのレビューについては、宿泊事業者の努力で一定程度防げる反面で、どうすることもできない場合もありますので、割り切らないといけない場合もありますが、明らかに理不尽な顧客に対しては、毅然と対応することも必要な場合もあります。

今回の法改正は、迷惑な顧客に対して、宿泊の拒否ができるようになったということで意義がありますが、受け入れる宿泊施設側でも、約款や利用規約等で「どのような場合に宿泊を拒否できるか」を具体的に明示してことが望ましいです。

小さい宿泊施設ですと、約款や利用規約は、作成してついそのままにしてしまいがちですが、数年に一度は、確認し実態に合わせて修正しておくと、何かあった時に迅速にトラブルが解決できる場合もあります。

小さい宿泊事業者の場合は、わざわざ弁護士や行政書士と顧問契約をしておく必要までありませんが、何かあった時に迅速に対応できるよう、旅館業に詳しい法律家の方を数名、日頃からお付き合いしておくと良いでしょう。

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