刑事告訴

はじめに

こんにちは、東京深川行政書士事務所です。刑事告訴というと、弁護士の業務に思われるかもしれません。しかし、行政書士の業務範囲は、行政書士法第1条の2第1項で「官公署に提出する書類、その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成すること」と規定しているため、官公署である警察署等に提出する告訴状の作成を、行政書士が業務として行うことが出来ます。

実は、刑事告訴に関する書類を行政書士が扱えることは、行政書士でも知らない方が多いです。今回は、刑事告訴について、簡単に説明させていただきます。

刑事告訴とは

告訴とは、告訴権者が捜査機関に対し犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示のことをいいます。通常は、告訴状という書面を作成し、警察署の司法警察員へ提出する方法によって行います。

実務上では、出資・投資詐欺で金銭を騙し取られた場合や、ストーカー被害を受けている場合、知人から暴行や傷害を受けているような場合に刑事告訴を検討することが多いです。

「警察に被害届を出したけど、動いてくれない」
「警察に相談しても、取り扱ってくれない」

ということは、結構多いものです。被害届は、ただ単に被害にあったことを届け出るだけですが、告訴状を受理した警察は、公訴時効までにある程度の余裕を持たせて捜査書類を検察庁に送検する必要があります。つまり、警察署が告訴を受理した場合には、必ず当該事件を調査して書類送検しなければなりません。

ただし、告訴状を受理する以上は、警察は必ず書類送検をしなければならないので、その受理にはかなりハードルを高くしています。そのため実務上では、要件を満たした告訴状を作成し、警察署に提出することが一般的です。

告訴は簡単にでき、捜査機関に告訴を受理して捜査をしてもらえると思いがちですが、実務には、告訴を受理してもらうまでに相当の時間と手間を要するのが一般的です。弊所でも、刑事告訴案件を何度も受任しておりますが、証拠書類を揃えて事実関係を説明する書類を作成するだけでも最低1ヶ月、事案によっては証拠収集を含めて3ヶ月程度かかる場合もあります。

また、犯罪の性質によっても、立件のハードルが異なります。例えば、暴行や傷害事件は比較的証拠が揃っているケースが多く、犯罪後あまり時間が経過していなければ、高い確率で受理されるのに対し、詐欺、横領、背任等のいわゆる知能犯は、一般的に捜査が難しい事件とされており、告訴を受理するか否かの審査だけでも相当の日数がかかる場合もあります。

まとめ

告訴状は、被害届とは異なり、受理された場合は捜査機関に一定の捜査義務が発生します。必ず捜査機関に動いてもらい、加害者を処罰してほしいという方は、時間や費用をかけてでも、告訴手続を行うことをお勧めします。

もっとも、捜査機関は、告訴状を簡単には受理にしてはくれないため、加害者の行為が、具体的にどのような犯罪を構成するのか、告訴状を作成した場合に、高い確率で受理されるかを、しっかり事前検討する必要があります。刑事告訴は難しくても、民法上の損害賠償請求が可能な場合もあります。弊所は、無料にて事前相談を行なっておりますので、まずは一度お問い合わせ頂けますと幸いです。

タイトルとURLをコピーしました
LINELINE