離婚手続きについて

はじめに

こんにちは。東京深川行政書士事務所です。
近年、離婚についてご相談させていただくことが多くなりましたので、離婚の流れについて説明させていただきます。

離婚の方法

離婚は、原則として一方の意思のみだけすることはできません。離婚を成立させるためには、次の3つの方法があります。

協議離婚

民法763条で「夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。」と規定されている通り、夫婦が互いに話し合い、離婚に合意するものです。

つまり、結婚したときと同じく、当事者が離婚することに同意するということです。離婚を行う場合は、まず両当事者の合意による離婚を目指していくことになります。

調停離婚

配偶者と協議によって離婚することが合意できなければ、家庭裁判所で行われている調停制度を利用する「調停離婚」を目指すことになります。

調停では、互いの言い分を調停委員に伝えながら、話し合いを行います。

裁判離婚

調停でも離婚の合意しない場合は、審判離婚、もしくは裁判離婚となります。

審判や裁判で「あなたの離婚請求を認めます」という判決がされた場合は、たとえ相手が離婚したくないことを主張していても、離婚することができます。

協議離婚が一番費用がかかりませんが、調停、裁判と進むにつれ、解決までの時間を要するとともに、費用がかかってしまいます。

離婚が認められる場合

民法は、審判や裁判において離婚が認められうる「法定離婚事由」について、以下のように規定しています。

離婚について、民法では次の5つの場合に限り、離婚を認めると規定しています。これらは「離婚原因」と呼ばれています。

  • 配偶者に不貞な行為があったとき
  • 相手方から悪意で遺棄されたとき
  • 相手方の生死が3年以上明らかでないとき
  • 相手方が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • その他婚姻を継続し難い重大な理由があるとき

協議離婚の流れと留意点

協議離婚の流れは大きく以下の通りです。

  1. 離婚の合意、条件の調整
  2. 離婚協議書の作成
  3. 離婚届の提出

先述の通り、日本において離婚する場合、必ずしも裁判所を通す必要はなく、両者が合意していれば、協議によって離婚することが可能です実際に、離婚する夫婦の多くは、裁判所を通さずに協議で離婚しています。

「新しい恋人ができたから離婚したい」といった理由であっても、相手さえ納得すれば離婚はできるのです。ただし、必ずしも相手が離婚に合意するとは限りません。そのため、離婚を考えている場合、裁判所がどのような判決を出すかの、見通しを立てながら進めていく必要があります。

協議離婚は、夫婦間だけで離婚条件の取り決めを自由にできる反面、必要な取り決めを経ずに離婚してしまうと、後になってからトラブルに発生するリスクがあります。

夫婦が取り決めた離婚する際の条件を離婚協議書にまとめておくことで、この協議離婚の弱点をカバーすることができます。

離婚協議書には、主として慰謝料や財産の分配、子どもの親権に関する取り決め事を中心として、必要となる様々な事項を定めます。

公証役場で公正証書として作成することで、金銭の支払いに関して、裁判所の書面と同等の執行力を備えることができます。

話がまとまらない場合

夫婦の関係が悪化し、双方の話がどうしてもまとまらない場合は、代理人を入れて話し合いを行います。一般的には、弁護士に依頼し、代理人として話し合いが進みます。

代理人同士で話し合いを行うことによって、話し合いが円滑に進む場合もありますが、双方の主張が完全に対立している場合は、そのまま調停や裁判等の法的手続に進む場合もあります。

費用の目安

事案によって異なりますが、夫婦間で離婚の合意や条件がまとまっている場合は、公正証書費用の実費と、行政書士報酬のみが発生します。

一方、夫婦間で話がまとまらない場合で、双方代理人を立てる場合は、代理人弁護士に対する着手金や、得られた経済的利益に対する成功報酬、

訴訟等の手続となる場合は、別途訴訟費用や弁護士報酬、訴訟手続出席に対する日当が発生します。
そのため、紛争化すると、協議離婚ができる場合と発生する費用が桁違いに増えるだけでなく、解決に年単位の月日がかかることもあります。

まとめ

本ページでは、離婚の方法と、協議離婚の流れについて簡単に説明させていただきました。離婚では、双方の主張や感情が対立するため、一度紛争化すると、想像以上に費用や時間がかかってしまいます。手続に費用や時間をかけないためには、協議離婚を成立させることが重要であることが、お分かりいただけたかと思います。

まず、何らかの理由で離婚を考えるようになった場合は、なんの準備もしないで相手に離婚を切り出すのではなく、一度行政書士に相談し、円満に離婚を行うための方法についてご相談されることをお勧めします。

その際、予想される相手の主張と対応策、万が一訴訟手続に移行した場合に発生しうる法的論点、費用感等を見積った上で、どこまで相手方に主張し、どこからは妥協すべきなのかを冷静に判断する必要があります。

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