離婚公正証書作成

こんにちは、東京深川行政書士事務所の白井 豪祐です。

本ページでは、離婚行政証書作成の流れについて説明させていただきます。

離婚手続きの全体の流れにつきましては、こちら【離婚】をご覧ください。

離婚公正証書とは

協議離婚では、夫婦の話し合いで離婚条件を決めることが基本となるため、合意した財産分与、慰謝料、養育費等の支払条件を記録する公文書が自動的に作成されません。

そのため、協議離婚する際に夫婦間で合意した内容を公文書に残しておきたいときは、公正証書(こうせいしょうしょ)を作成する必要があります。

公正証書とは、公証人役場で公証人が公正に作成されたことを証明してくれる契約書をいいます。

遺言や契約等、私人間の法律行為に関する陳述や、公証人自ら直接経験した事実を、公証人が書面に記載して作成する公文書です。

公証人は、裁判官などを長年勤めた者の中から法務大臣に認定を受けた法律家で、作成された公正証書は、訴訟上においても、真性に成立した公文書と推定されます。

また、公証人が当事者の身分証明証で身元確認し、文面内容についても真実性や法令上の不備や違法性がないかを確認して作成しますので、その記載内容に対して高い信頼性があります。

よって、後から「そのような約束はしていない」という反論をされても、ほとんどの場合でそのまま記載された内容が認められます。

財産分与や慰謝料は、合計額で数百万円、場合によっては1,000万円を超えることがあります。

少し手間と費用がかかりますが、相手が約束を守らなかった際に、強制執行ができる点が公正証書作成の最大のメリットです。

公正証書作成の重大性

公正証書を作成することは、夫婦二人にとって非常に重要な意味を持つことになります。

一度公正証書を作成すると、その契約に双方ともに拘束されることになり、離婚した後の経済面に大きく影響してくるからです。

それだけに、公正証書の基本的な知識を知ったうえで公正証書作成をすすめていくことが大切になります。

作成にあたっては、どのように作成するのが望ましいか、離婚問題を得意とする法律家に確認することが重要です。

公正証書作成の流れ

公正証書は、全国にある公証役場で公証人が作成します。

協議離婚の届出を行なう前後の時期に離婚の公正証書を作成する場合、公証役場へ出向いて、公正証書の作成の手続を行います。

行政書士が関与している場合、公正証書作成に関連する公証人とのやり取りは、原則として行政書士が行います。

なお、公証役場は離婚の条件を話し合う場ではありません。

そのため、離婚公正証書を作成する申し込みを行うまでには、公正証書に定める離婚契約の内容(養育費、財産分与など)を夫婦間で調整しなければなりません。

つまり、養育費や財産分与など、契約する離婚に関する条件が決まっていなければ、公正証書が作成できませんので留意してください。

以下は、離婚の公正証書を作成する準備から完成までの大まかな流れになります。

  1. 協議離婚する際に定める条件の項目(養育費、財産分与など)を確認
  2. 夫婦間で話し合い、離婚に関する条件等を具体的に決める
  3. 公証役場への申し込みに必要な資料を準備し、公証人と公正証書の内容を確定させる
  4. 予約した日時に夫婦二人で公証役場へ行き、公正証書を完成させる

*準備する書類は、事前に公証人に確認し、指示にしたがいます
*手数料は、離婚契約の内容に応じて計算されます

公正証書に記載すべき内容

公正証書に記載する条項は様々ですが、特に重要なものとして、次の内容を挙げることができます。

  • 親権、監護権
  • 養育費
  • 面会交流
  • 財産分与
  • 年金分割
  • 慰謝料
  • 婚姻費用
  • 負債
  • 住宅の利用

離婚するときに夫婦で決めておく条件項目は、大きく2つに分けることができます。

1つは財産について、もう1つは子どもの親権についてです。

財産については、財産分与、年金分割があり、夫婦の一方に離婚になった原因があるときは、慰謝料の支払いも対象項目になります。

未成年の子供がいる場合は、親権者や養育費、面会交流について定めます。

取り決めることは夫婦によって異なりますので、上記の項目以外にも決めておく項目が出てくることもあります。

費用の目安

公正証書作成は、当事者のみで作成する場合は公証役場に支払う手数料のみで作成することができますが、実際には弁護士や行政書士が公正証書作成に関与することが一般的です。

弁護士報酬や行政書士報酬は、事案の複雑さや、個々の事情(結婚してからの年月や子供の人数、財産の数等)によって異なりますが、諸費用を含めて10万円から20万円程度が相場です。

特に未成年の子供がいる場合、養育費等の問題もありますので、多少費用がかかっても、離婚を得意とする専門家に依頼する方が、当事者同士の話し合いだけでは気づかない問題点や法的リスクを指摘してくれるため、より望ましい結果になる可能性が高いといえます。

まとめ

離婚公正証書は、作成に手間と費用がかかりますが、非常に重要な書類であることをお分かりいただけたのではないかと思います。

離婚に関する取り決めは、夫婦にによって事情が異なるため、定めるべき条項が異なります。

そのため、安易に当事者間で作成してしまうと、思わぬ法的問題が生じる場合があります。

離婚を検討している、離婚をすることが決まったが、離婚公正証書を作成したい場合は、ぜひ離婚に強い法律家への相談をおすすすめします。

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